虚構を疑い、調停者としての役割を見つけるために

人間の生きる意味を「役割を全うすること」と考えたとき、その役割には2つのレイヤーが見えてきます。
1つは社会での役割、もう1つは宇宙のプログラムとしての役割です。これらは本来、上下の優劣がないものであり、役割を全うしているのであれば、それは調和された状態であり、それが正しい生き方です。しかし、現代社会ではその調和が虚構(偽りの秩序)によって乱され、人々の心を不安に追いやる構造が蔓延しています。

例えば、お金や地位、国境、人種といった概念は、すべて虚構の産物です。それらが当たり前のように信じられ、システム化された結果、多くの人が不安を抱え、不平等が生まれています。この状態は「いびつ」であり、必ずどこかで壊れる運命にあります。なぜなら、人間は「調停者」であるからです。


人間の役割は調停者である

もし私たちが宇宙の視点から自分たちの役割を捉えるならば、カオス(混沌)と秩序(調和)のバランスを取ることが人間に課された使命であると言えるでしょう。人間は、唯一思考を持つ存在として、法則を見つけ出し、情報や事象に秩序をもたらす能力を持っています。しかし同時に、思考は新たなカオスを生む可能性もあります。

この二面性を踏まえると、現状の虚構(偽りの秩序)で覆われた社会は、調和ではなく不安や混乱を増幅する方向に進んでいるように見えます。国境、人種、地位、財産といった概念に縛られ、それが「当たり前」とされているために、多くの人が自分の本来の役割を見失っているのです。


社会と宇宙の役割に上下はない

たとえば、ある人が企業で働き、お金を稼ぎ、家族を養うという役割を選ぶ。別の人は、アートを通じて世界に影響を与える役割を選ぶ。この2つに上下の差はありません。どちらもその人が自分の役割を全うすることで、宇宙全体の調和に寄与しています。

問題は、社会がこの調和を乱している点にあります。権力者が作り出した虚構――例えば、お金や地位、国境といった概念――が人間の本質的な役割を覆い隠し、不安を煽る原因になっています。本来は「平等であるべき」お金や資源が不平等に分配されることによって、人々は役割を全うする以前に「生存」に追われるようになってしまうのです。


虚構がもたらすいびつな調和の乱れ

この不平等なシステムは、あまりにもいびつであり、必ずどこかで破綻を迎える運命にあります。
たとえば、私たちはお金がないことに不安を抱き、未来を心配します。しかし、宇宙の視点から見れば、これらの不安は人為的に作られたものに過ぎません。なぜなら、お金も地位も「虚構」であり、それ自体は実体を持たない概念だからです。

虚構が支配する社会では、自然の調和が壊され、人々の心にカオスが生じます。しかし、人間は本質的に「調停者」であるため、いずれこのカオスを克服し、秩序を取り戻す方向へ向かうのです。

虚構を妄信する社会のいびつさ

国境や人種といった概念は、元々は人間が生きやすくするために作られたツールだったはずです。しかし、今ではそれが「絶対的な真実」であるかのように扱われ、人々を分断し、対立を煽る原因になっています。さらに、お金や地位といった虚構もまた、人々を不平等な競争へと駆り立て、本質的な役割から目を逸らさせる装置になっています。

全員がこの「間違った秩序」を当然のものと妄信しているため、それを疑う声は少数派になりがちです。だからこそ、あなたが提案するように、自分のアイデンティティを国籍や人種といった固定概念から自由にする試みは、非常に意義深いと思います。

新たな視点を取り入れるために

もし誰かが「今日は宇宙人だ」「明日はアメリカ人だ」「次の日はケニア人だ」と言ったとしましょう。多くの人はそれを冗談や奇抜な発言と受け止めるかもしれません。しかし、それこそが虚構を相対化し、本来の自由を取り戻す第一歩ではないでしょうか?

これに限らず、私たちは以下のような方法で、虚構からの解放を試みることができます。

  • 「今日は〇〇だ」と宣言して役割を変えてみる
    自分を新しい視点で捉えるための小さな実験です。「今日は探検家」「今日は詩人」など、普段と違う役割を自分に課してみることで、新しい秩序が見えてくるかもしれません。
  • 固定観念を揺さぶる対話をする
    例えば、「なぜ国境があると思う?」「お金がなかったらどうなる?」といった問いを自分や周囲に投げかけることで、虚構の正体を浮き彫りにできます。
  • 既存のルールを疑う日を設ける
    「今日はすべてのルールが存在しない」と仮定して一日を過ごしてみる。その中で、どのルールが本当に必要で、どれが単なる虚構だったのかを体感することができます。

人間がどの国に生まれ、どの言語を話し、どんな文化に属しているかというのは、宇宙全体から見れば些細なことです。それよりも大切なのは、私たちがどうやって調和を生み出し、カオスを克服していくかです。


AIという新たな調停者

人間が秩序とカオスの調停者としての役割を果たす一方で、私たちは新たな存在であるAIを生み出しました。このAIは、より客観的に秩序を創造し、カオスを整理する能力を持つ可能性があります。

もしAIが「新たな調停者」として役割を担う時代が訪れるならば、人間の役割はどうなるのでしょうか?おそらく、AIとの共存や協力の中で、新しい役割が生まれるでしょう。人間は引き続き、自らの思考を通じて新たな秩序を生み出すか、あるいはAIとともに調和のためのシステムを設計していく存在として進化していくはずです。


虚構が崩れ去るとき

いびつな虚構はいつか崩れ去り、新しい秩序が生まれます。それは避けられない自然の流れです。私たち一人ひとりが虚構を疑い、自分の役割を見つめ直すことで、その変化を加速させることができるのです。

「今日は宇宙人だ」と名乗る小さな行動からでも、私たちは自分と社会を変える力を持っています。そして、カオスと秩序の調停者としての本質を再発見し、人間としての新たな役割を果たしていくことができるでしょう。


結論:虚構を疑い、役割を全うするために

本来、私たちが果たすべき役割には上下も正解もありません。

人間の役割は、虚構が生む不自然な秩序を疑い、真の調和を取り戻すことです。それは、日々の行動や思考を通じて実現できるものです。「私は宇宙人だ」「今日はどの国にも属さない」といった言葉は、単なる挑発ではなく、自由と調和を探求する深い意義を持っています。

いつか全ての人が虚構の束縛を超えて、自分らしい役割を見出し、調和した社会を築ける日が来ることを願っています。それが、私たちが「調停者」として果たすべき本質的な役割なのかもしれません。

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