【実体験】人はどのようにしてニートになるのか。【一発逆転モル太郎ケース】

モルモット太郎 ニート イラスト ニートになる ひきこもり

モルモット太郎は小中高時代は不登校にもならずにしっかりと学校に通って友達も多かった。
大学も東京のそこそこ有名な大学に通い卒業した。

そんな人間が一体どうしてニートになるのだろうか。

簡潔に記すと原因は以下の4つだ。

  • 根本的な能力不足:暗記の学業はできたが、幼少期の教育が悪かったために情報処理能力不足、知識不足が内在。
  • 不健康:中学時代に歯を折り神経を圧迫。全身の筋肉のバランスがおかしくなり脳と身体の機能低下。
  • メタ認知不足:自分が何が好きで何が嫌いかをスルーして他人の目を気にして興味のない事ばかりやっていた。
  • 一発逆転の意識:BIGになりたいという大きな目標をもつ野心。

ざっと振り返ると、モル太郎は0~27歳までずっとこれらの問題を抱えていた。
就職するとこれらの問題がモル太郎に襲い掛かった。

今回は4つの問題の内、見過ごされがちな「一発逆転の意識」がどのようにしてニートを誘発するかを記した。

モルモット太郎の体験

私は学生時代から「社長になりたい」「自分のアイディアを形にしたい」という強烈な衝動を持っていた。
「アイディアを実現できさえすれば、人生が一発逆転できる!」「金持ちになれる」と心の無意識に秘めていたの。


というのも、私の祖父が経営者だったので自分もビッグになれるのではないかという自己陶酔があったのである。

今振り返ると、この「一発逆転のアイディア」「大きな目標」を隠し持ち続けていたから20代は失敗続きだったんだと思う。
こんな大きな野心を持ちながら自分を騙し続けていたから、仕事を辞めることになったのだと思う。

そう、この話は
「胸に秘めた一発逆転のアイディア」=「コンフォートゾーン外の無意識」がどのように作用してニートになるのかを描いた、ニート誕生の物語である。そして、その失敗と挫折からどのようにして這い上がったのかを描いた失敗と再生の物語でもある。

ニートになる前の20代前半の私は、プログラマーとして働いていた。
仕事はプログラミングだけでなく、新入社員として電話繋ぎや、お客さんのコーヒー湧かし、上司に連絡とマルチタスクに仕事をこなした。
情報処理能力不足や知識不足で悩むことは多かったが
プログラムを書くこと自体は楽しくて、自分のやりたい職業につけて満足していた。

しかし、希望の職に就職した後でも、大学生の頃に芽生えた「一発逆転アイディア」が心のどこかでくすぶっていた。

「上司から良い評価を勝ち取る」という意識よりも「アイディアを早く形にしたい」「このままでいいんだろうか」という気持ちが無意識に存在して、平凡な現状に反発していた。
この会社で成り上がるという気持ちよりも、早く技術を身につけてアイディアを実現したいという気持ちの方が大きかったのである。

今思えば、そのせいで仕事中も技術を身につけることに必死で業務(上司から良い評価を受けること)に集中できていなかった。

結局、完全に集中できていないから、人間関係や仕事の事で悩むことも増えて精神を壊した。


若くて経験不足などの理由もあるが、自分には才能がないと勝手に思いつめるようになった。
座り仕事で痔も悪化した。
好きだったプログラマーの仕事を辞めてしまった。
高すぎる目標が無意識的に精神を擦り減らしていたのである。そのことに気づかなかった。

もちろん、「一発逆転のアイディア」だけが仕事を辞めるに至った理由ではない。
モルモット太郎はもともと、健康状態が高校時代からよろしくなかった。
それはこちらの記事で紹介している。

ストレートネック 慢性肩こり 実体験 治った 慢性的な肩こりとの決別:10年越しの苦しみからの解放【実体験】

様々なことが重なり、私はプログラマーの仕事を半年ほどで辞めた。
そして、2年ほどニートになった。
ニートになった後も、私は「一発逆転のアイディア」を実行しなかった。
「このビッグなアイディアを実現できるわけがない」と心のどこかで思っていて気づかないふりをしていた。だらだらと、何も考えずにニート生活をした。時間だけが過ぎた。
そんな自分を見かねた母が働けと喝を入れた。どうしようもないので母に促されるままにニート生活を終えた。
再び就職活動をし町工場に就職をした。

それから、工場で1年ほど働いた。
給料も良く、職場の人間関係も良好でこのまま工場員としての人生が続くと思われた。
しかし、身体が弱いモルモット太郎はまた身体を壊した。
プログラマーの時と同じことの繰り返しだった。

潜在的な無意識がストレスになっていたのかもしれない。
工場で使われる化学物質の匂いが合わなかったのかもしれない。
長時間の立ち仕事で両足に湿疹ができた。
精神的な疲れと肉体的な疲れで、湿疹ができたり、肺が痛くなったり、頭頂部がはげ始めた。
色んな問題現れた。

「このままでは死ぬ」と思い、大袈裟な考えがめぐって工場をやめてニートになる決心をした。
身体を壊さなくとも私は仕事を辞めていたと思う。
今振り返っても、あの頃のモル太郎は「成功したいという無意識の野心」が現状に反発していた。

能力不足なくせに野心はイッチョ前。
こりゃニートになるわ。

モルモット祐太郎

仕事を辞めてニートになり。もう一度、自分と向き合う時間ができた。
自分の気持ちがどんどん「一発逆転のアイディア」に傾いていくのがわかった。
自分の気持ちに初めて気づけた。

情熱が湧き上がってきて、描かずには、作らずにはいられなくなった。
このチャンスを逃したらもう一生できないと思った。
自分の気持ちに気づいて、そこでもう嘘をつくのはやめた。誰の目も気にせず正直になった。

「下手でもいいから作ろう」
一発逆転のアイディアを形にする決心をした。

それからは、一心不乱で4ヵ月くらいかけてアイディアを形にして作品(ウェブサイト)を作った。

絵が下手糞で、初めは納得のいくものができなかった。
何度も描き直して3回以上描き直してやっと納得のいくものができた。

完成した。

一発逆転ができる。
そう思った。

作品は出来上がってネット上に公開したが3カ月たっても何もビッグなことは起こらなかった。
何も変わらなかった。
やばいと思ったモル太郎はテレビ局の番組のお問い合わせフォームにビッグな作品を紹介したメールを送った。
「月曜日から夜更かし」などの番組に送ったと思う。また、当時にぎわっていた「UUUM」にもコラボの依頼を送った。

しかし、待ってど暮らせど、どこからも取材の連絡は来なかった。
何も変わらないかった。
金も職も経験もない失敗したニートが暗い部屋の中、ベットの上でPCを眺めて存在しているだけだった。

そんな中、嬉しい出来事もあった。
少年からメールが来た。
「頑張ってください!」
励まされた。

それは嬉しい出来事ではあったが、モル太郎は大逆転できずカーストの地べたを這いずり回った。
一発逆転大失敗である。

そう私はスラムダンクの
谷沢龍二
とある意味、同じ過ちを犯したのである

谷沢龍二はお前と違って本当の天才だからな。

モルモット祐太郎

大きな夢を絵がいて失敗した結果ニートが生れたのである。
無能な人間の野心ほど悲劇を生み出すものはない。夢の代償は大きいのである。

大失敗した男の話はこれで終わりだ。
ここからはただのニートが再生する物語が始まる。

サイトを作り終わって、情熱のパトスが落ち着いてしまったモル太郎は心が空洞になった。
もうやりたいこともやりつくした。
成功はしなかったが変な充実感はあった。

「ああ、どうしようか。」
「何も変わらなかったな。」

ウェブサイトを眺めてずっと悶々としていた。
1年くらい悶々とニートをした。
そんなことを繰り返していると、自分がやり残していることに気づいた。
まだ、この勝負は終わっていないと気づいた。

今度は、「自分が描いた絵に物語をつけてみよう。」小さな情熱の炎が生まれた。
せっかく作ったのだから、物語をつけてあげないと絵がかわいそうだと思ったのだ。
今振り返れば、この決断が自分に自信を持つきっかけだった。

漫画制作に挑戦することになった。

しかし、漫画作りは想像以上に困難だった。ストーリー、世界観、キャラクター作り、自分の好きなものへの理解…。考えれば考えるほど、どれもが難しかった。

漫画制作を通して
自分がこれまで何も考えないで生きてきた事に気づいた。
好きなことさえ何も知らなかった。
何も考えないで、記憶しないでただ生きていた。それに気づいた。

「無知の知」。あの時にその一部を垣間見たんだと思う。

それからは、小学生から全部をやり直そうと思った。
何も知らないで生きてきた自分だから、
根本的な知識や能力から鍛えないと後世に残る漫画は描けないと思ったのだ。

相変わらずBIGな目標掲げてるな。何にも学んでない。

モルモット祐太郎

英才教育を受けてこなかったから、俺はこんなにダメなやつなんだと思った。
根本的な能力が天才たちに劣るのはそこに原因があると思った。
圧倒的な情報処理能力と知識不足がプログラマーの仕事を辞める一因にもなった過去もある。

「こんなんじゃダメだ。」

だから、全部やり直した。
読書、算盤、英会話、イラスト、ピアノ、ギター、タイピング、ストレッチ、バスケ、リフティング、脳トレ、etc

とにかく考え付く運動や楽器をして体を動かして基礎能力をあげようと思った。
それと同時並行的に、本を読んで知識をつけた。
自分と世界を観察するようになった。記憶するようになった。記録するようになった。

その中で、人生で初めて自分という人間との対話が始まった。

内省の時間が始まったのである。


自分が何が好きで、どういう運動ができて、どういう人間なのか少しずつ理解していった。
自分を通して人間という動物がわかり始めた。

「おもしろいとは何か」
「かっこいいとは何か」
「美しいとは何か」
「怖いとは何か」
「人間の本質は」

自分自身を観察して記憶して整理する。それを始めてから、少しずつ自分に自信が持てるようになった。
そして、自分に正直になると人間という動物がわかり、他人への理解も深くなっていった。

自分以外の世界に対する観察も増えた。
世界を抽象的に構造的に見れるようになった。
抽象的な情報(図、表)に対する感度も上がった。

人間はどう動くのかを観察するために
「ダンスの動画を1コマ1コマ、スクショして観察して描いてみる」
なんてこともやった。

昔の自分では、絶対に気づかなかった細かな部分まで記憶するようになった。
全体を俯瞰してみる高い世界の視点も生まれた。
人生のコツみたいなものがつかめるようになった。

BIGな目標なのに成長している!?芸術は人を成長させるのか!?

モルモット祐太郎


このようにして、現在のモルモット太郎が生まれた。
まだまだ、自分は失敗続きで

人に面白いと思ってもらえる漫画は作れていない。
魅了できる能力は身につけてない。

だけど、内省をしたり、もがく中で、モル太郎は本質を見つけて、
人はどうすれば成長できるのかの秘密(虎の巻や秘伝の書)を見つけていった。
世間一般的には「それは意味がない、間違いだ」と言われることをやったり、「人がやらないようなこと」をやった。
そうすることで世界の秘密を集めて行って、それが自分の財産になった。

今振り返ってみれば、知識も能力もすべてが足りないのに、
「アイディアだけで大逆転」と思ったことは愚かだったかもしれない。
その突拍子もないアイディアと情熱のせいで人生のレールを何度も脱線してニートで寄生虫みたいな生活をしている。

普通の道を選んでいたら、なりたい自分にもっと早くなれていたかもしれないけど、今の「自分自身を知れた人生」は嫌いじゃない。そして、自分の選択で家族に迷惑をかけたことへの反省は残るけれど、これが自分の道だと思っている。もう「誰かの目を気にして生きる」同じ間違いはしない。

モル太郎

お母さん、お父さんごめんなさい。
俺だって金持ちになってプール付きの豪邸に住んで美人コンテスト開きたいんだ!!

今日はこんなところでモル太郎の実体験は終わりにする。

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